お歳暮ののし紙

【のし紙のマナーまとめ】種類や書き方、注意点を全て解説!

 贈り物をするときに使用する「のし紙」。

結婚祝いや出産祝いなど、様々なシーンでよく見かけるものですが、「詳しいマナーがよくわからない!」という方も多いのではないでしょうか。

日本の誇るしきたりでもあるのし紙は、いくつかのマナーを守らなければ相手に不快感を抱かせてしまうかもしれません。

今回は、のし紙の種類や書き方などのマナーについて詳しく解説します。

のし紙をかけるうえでの注意点についても紹介するので、ぜひ参考にしてみてください。

【目次】

  • のし紙とは
  • のし紙は絶対に必要?
  • のし紙マナー1.「種類」を押さえておく
  • のし紙マナー2.「表書き」を押さえておく
  • のし紙マナー3.「名入れ」について押さえておく
  • のし紙マナー4.「弔事」の対応方法とは
  • のし紙をかけるときの注意点

のし紙とは

のし紙と品物

のし紙とは、贈り物をするときにプレゼントの上にかける紙のことです。

よく、「のし」のことを紙本体だと勘違いする方もいますが、これは誤り。

のしとは、アワビをモチーフにした飾りのことで、のし紙の右上に印刷されているものです。

のし紙はお祝いごとでプレゼントを贈る際に使われるので、葬儀や法要などの弔い事や、病気や災害見舞いなどではのしのないかけ紙を選びます。

また、魚介類や肉、魚といったものを贈るときも使用しないことを押さえておきましょう。

のし紙は絶対に必要?

のし紙と御中元

目上の方へのプレゼントや、フォーマルなシーンでの贈り物では、のし紙をつけるのがおすすめ。

日本で古くから引き継がれている伝統だからこそ、のし紙をかけることはある種のマナーです。

ただ、気の置けない間柄での贈り物など、かしこまらなくても良いときはのし紙ではなくラッピングやリボンでも問題ありません。

ここで気を付けたいのは、リボンとのし紙を1つの品物に施してしまわないこと。

見た目を重視してやりがちですが、リボンとのし紙を同じ品物に使用すると、マナー違反なので避けましょう。

のし紙マナー1.「種類」を押さえておく

のし紙を選ぶときは、まず種類を押さえておくべきです。

のし紙の種類は、印刷されている飾り紐の「水引」によって、大きく以下4種類に分けられます。

  1. 【慶事(お祝いごと)】紅白蝶結び
  2. 【慶事(お祝いごと)】結び切り(5本・7本)
  3. 【慶事(お祝いごと)】結び切り(10本)
  4. 【弔事(葬儀・法要)】黒白結び切り
用途にマッチしたのし紙を選ばなければ、相手に失礼と思われてしまうので、ぜひチェックしてみてください。

【慶事(お祝いごと)】紅白蝶結び

紅白蝶結び

蝶結びをされた水引が印刷されているのし紙が、紅白蝶結びです。

紅白蝶結びは、何度も結び直せることから、何回繰り返しても良いお祝いごとに使われます。

例としては、長寿や結婚記念日のお祝い、出産祝いや新築祝いなどが挙げられるでしょう。

お祝いごと全般に使われるのし紙ですが、結婚祝いやお見舞いなど、何度も繰り返さない方が良いシーンには使えないので注意しましょう。

【慶事(お祝いごと)】結び切り(5本・7本)

結び切り5本

固結びをされた水引が印刷されているのし紙を、結び切りと呼びます。

結び切りは、簡単にほどけないことから、一度きりであってほしいお祝いごとやお返しに使いましょう。

一般的には5本の水引で快気祝などに使用されますが、より丁寧な気持ちを表したい場合は7本を選びます。

【慶事(お祝いごと)】結び切り(10本)

結び切り10本

10本の結び切りは、結婚のお祝い時にのみ使用されます。

簡単にほどけず二度あってはいけないお祝いごとのため結び切りが使われており、10本なのは新郎と新婦のどちらにとってもおめでたいことだから。

通常、一度だけのお祝いごとには5本の結び切りをかけるので、新郎と新婦それぞれ5本ずつと考えて、10本の結び切りが結婚祝いに用いられるのです。

【弔事(葬儀・法要)】黒白結び切り

黒白結び切り

黒白結び切りは、葬儀や法要の際に使われるかけ紙で、のしは印刷されていません。

先ほど紹介した結び切りと同様に、なかなかほどけない固結びが印刷されているため、二度と繰り返したくないことに用いられますが、黒と白の場合は仏事全般に使用されるのです。

関西や北陸では、黄色と白色の紐で結ばれた「黄白結び切り」が使われることもあります。

のし紙マナー2.「表書き」を押さえておく

お年賀とのし紙

のし紙を正しく使用するには、表書きについても押さえておきましょう。

表書きとは、のし紙に記載する贈り物の目的を表している言葉のこと。

のし紙をかけるときには、「寿」「お祝い」など贈る目的に応じて正しい表書きを記載する必要があります。

こちらでは、贈る場合とお返しをする場合の2種類に分けて、代表的な表書きをまとめたので、ぜひチェックしてみてください。

ちなみに、表書きを書くときは、のしや水引にかからないように意識しましょう。

贈る場合の表書き

贈り物をする場合は、以下の表書きを参考にしてみましょう。

【贈る目的】 【表書き】
結婚祝い
  • 寿
  • 御結婚御祝
  • 御歓び
  • 御祝
出産祝い
  • 御安産御祝
  • 御出産御祝
  • 祝出産
  • 御祝
宮参り
  • 御宮参御祝
  • 御祝
初節句
  • 御初節句御祝
  • 祝初節句
  • 御祝
七五三
  • 七五三御祝
  • 御祝
入園・入学・進学・卒業・就職祝い
  • 御入園御祝
  • 御入学御祝
  • 御進学御祝
  • 御卒業御祝
  • 御就職御祝
  • 御祝
成人式
  • 御成人御祝
  • 祝御成人
  • 御祝
長寿祝い
  • 寿福
  • 御祝

61歳:祝還暦
70歳:祝古稀
77歳:祝喜寿
80歳:祝傘寿
88歳:祝米寿
90歳:祝卒寿
99歳:祝白寿
100歳:祝百寿

新築祝い
  • 新築御祝
  • 御祝
病気見舞い 御見舞

お返しをする場合の表書き

プレゼントをもらったことによるお返しは、以下の表書きを記載してみてください。

【お返しをする目的】 【表書き】
結婚祝い 寿
出産祝い 内祝い
宮参り 内祝い
初節句 内祝い
入園・入学・進学・卒業・就職祝い 内祝い
成人式 内祝い
長寿祝い
  • 内祝
  • 百寿(還暦・古稀…)内祝
新築祝い 内祝い
病気見舞い
  • 快気祝
  • 全快祝
  • 内祝

のし紙マナー3.「名入れ」について押さえておく

筆ペン

のし紙をかけるときは、水引の下に表書きより小さく名前を書く「名入れ」を行います。

ただ、「贈る側と受取る側のどちらの名前を書くの?」「複数人で贈る場合はどうすればいいの?」と疑問を持つ方も多いでしょう。

こちらでは、のし紙マナーとして名入れについて詳しく解説していきます。

名入れには送り主の名前を入れる

一般的に、のし紙の下段には送り主の名前をフルネームで記載します。

ただ、出産祝い・宮参り・初節句などのときは、子どもの名前を書くので、間違えないようにしましょう。

名入れは縦書きで行うため、アルファベットの場合だと全体のバランスが崩れてしまうことも。

差し支えなければ、カタカナで記載した方がすっきりとしたのし紙をかけられます。

連名の場合は?

複数人で贈り物をする場合は、以下のポイントを押さえておきましょう。
  • 右から年齢や職位が上の人の名前を書く
  • 順番がない場合は、五十音順に書く
  • 夫婦の場合は、右に男性、左に女性の名前を書く

一般的に連名で贈る際、名前を書くのは3名程度までです。

4名以上で贈り物をする場合は、代表者1名の名前を書いた後、左側に「他〇〇一同」「有志一同」などと記載しましょう。

代表者1名の名前を書くのが適切でないときは、会社名や団体名のみを記載することもあります。

のし紙マナー4.「弔事」の対応方法とは

志ののし紙

葬儀や法要などの弔事では、必ずのし印刷されていない結び切りのかけ紙を選びましょう。

以下には、弔事における代表的な表書きをまとめたので、チェックしてみてください。

【贈る目的】 【表書き】
通夜・葬儀
  • 御供
  • 御仏前
  • 御霊前
法要供え物
  • 御供
  • 御仏前
  • 御霊前
【お返しをする目的】 【表書き】
葬儀
  • 粗供養
法要
  • 粗品
  • 粗供養

また、神式は「偲び草」、キリスト教は「志・偲び草」など、宗教によっても表書きは異なります。

亡くなった方の宗教が不明の場合は、宗教問わず利用できる表書き「御霊前」を使用すると良いでしょう。

のし紙をかけるときの注意点

のし紙とペン

のし紙をかけるときは、以下3つのポイントに注意しましょう。

  • 毛筆か筆ペンで書く
  • 複数ののし紙をかけない
  • 「内のし」と「外のし」を使い分ける

せっかくフォーマルなシーンだからとのし紙を使用しても、これら3つのポイントが守られていなければ、マナー違反とされてしまいます。

大人だからこそ、誤ったのし紙をかけてしまうと相手の反感を買う場合も。

大きなトラブルを避けるためにも、こちらで紹介する3つの注意点をマスターしておきましょう。

毛筆か筆ペンで書く

のし紙に表書きや名前を書くときは、毛筆か筆ペンを使いましょう。

サインペンやフェルトペンで書かれることも多いですが、毛筆か筆ペンを使うのがマナーです。

ボールペンは失礼に当たるので避けるのがベスト。

さらに、自己流で書き崩した文字もマナー違反とされているため、楷書で記載するのを心がけてください。

複数ののし紙をかけない

たくさんの気持ちを伝えたいからといって、1つの品物に複数ののし紙をかけるのはNG。

「御礼」「御祝」など複数ののし紙をかけると、いくつもの気持ちを1つの品物だけで伝えているということで、不快感を抱かせてしまうことも。

どうしても複数の気持ちを伝えたいときは、1種類ののし紙とメッセージカードをつけましょう。

また、おめでたい出来事が続いた場合は、最近起きたことを優先させるのが一般的ですが、相手との関係性や気持ちを考慮しながら最も良いのし紙を選んでみてください。

「内のし」と「外のし」を使い分ける

のし紙のかけ方は、品物に直接貼り付ける「内のし」と、包装紙の上から貼り付ける「外のし」の2種類に分けられます。

内のしと外のしは、以下のように適切なシーンが異なるので、要チェックです。

【のし紙のかけ方】 【適切なシーン】
内のし
  • 控えめな気持ちを表したいとき
  • 宅配便で送るとき(のし紙が傷つかないように)
外のし
  • 誰がどんな目的で贈ったのか伝えたいとき
  • 贈り物を手渡しするとき

まとめ

今回は、のし紙の種類や書き方などのマナーについて詳しく解説しました。

のし紙をかけるときは様々な決まり事がありますが、マナーを守っていると「やるな!」と思われること間違いなし。

逆に、のし紙のマナーを知らなければいざこざが起きてしまうこともあります。

大人のたしなみとして、のし紙のマナーをぜひ押さえておきましょう。

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